甲状腺に関するQ&A

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Q

甲状腺とは?

A

のどぼとけの下、気管の前近辺に位置する臓器で、体のエネルギー代謝を調節する「甲状腺ホルモン」を分泌する重要な役割を担っています。飲食物から摂取されるヨードを素材に、汗の量や体温、脈拍や食欲、排泄など、人間にとって必要なエネルギー活動をコントロールしています。甲状腺に異常があると、これら活動が過剰になったり不足がちになってしまい、体に大きな不調をもたらします。

Q

健診で甲状腺に異常があると言われたんだけど……

A

まずは専門医へご相談ください。詳しく検査し、甲状腺のどの病気であるかを特定します。検査の流れは、問診から始まり、触診と内科診察、そしてエコー検査、必要であれば採血検査なども行います。

Q

甲状腺にはどんな病気がある?

A

大きく以下に分けられます。

1甲状腺ホルモンの量が変化する病気

甲状腺ホルモンが多くなりすぎる病気(甲状腺機能亢進症)と、甲状腺ホルモンが足りなくなる病気(甲状腺機能低下症)があります。よく耳にするバセドウ病は前者、橋本病は後者に分類されます。

2甲状腺に腫瘤(しこり・腫瘍)ができる病気

甲状腺に腫瘤(しこり・腫瘍)ができる病気
良性のものと悪性のものがあります。悪性は甲状腺がんや悪性リンパ腫など命に関わるものも多く、また発見されにくい部分でもあるので、定期的な検査を推奨します。

12が合併した病気甲状腺ホルモンの量が変化する病気

甲状腺にできた腫瘍が過剰にホルモンを作り出し、甲状腺機能亢進を示す病気(プランマー病)などがあります。

Q

治療法は?

A

薬による治療と手術による治療があります。どの治療法が最適かは、患者さまの健康状態や病気の進行状況によって様々です。当院では患者さまに症状や治療法の説明を十分に行い、患者さまの希望をお聞きした上で治療方針を決定します。また大きな手術が必要な場合は専門の病院をご紹介します。

Q

甲状腺疾患は遺伝する?

A

統計的に甲状腺疾患は家族性に発生する事が多いようです。ご家族の中に甲状腺を治療された方がいらした場合ご自身にも発症の可能性があります。また現在症状としてあらわれていなくても、潜在的に因子を持っていることも考えられます。一度は専門医の検査を受けるようにしましょう。定期的に経過を観察することで安心した生活を維持することができます。

Q

甲状腺の病気になると、食事は制限される?

A

甲状腺ホルモンが多くなりすぎる病気の場合、ホルモンの素材となる「ヨード」を摂取しないよう制限する場合があります。しかしヨードは自然の食べ物ですと海藻類に多く含まれており、また現代ではほとんどの食品に使用されている化学調味料に大量に含まれていますので完全にヨードを断つことは不可能といえます。

当院の考えとしては、できるだけ患者さまには制限のない普段通りの生活を送っていただくことを願っています。ヨードの摂取についてはお薬で調節できますので、ストレスのない毎日を過ごしながら、病気と向き合っていきましょう。

Q

妊娠前に検査を受けたい

A

胎児の発育に必要な甲状腺ホルモンは、お母さまの体から胎盤を通じて供給されます。もしお母さまの甲状腺に異常があると、お子さまの発育が正常に行えず、流産という悲しい結果に至ることがあります。

現在、妊娠前に「甲状腺の検査を受けたい」と希望される方も増えてきています。お子さまのためにもお母さまご自身のためにも、一度検査を受けにいらしてください。検査はエコーと採血によるものなので負担は少ないです。

また、不妊治療の1つとして検査を受ける方もいらっしゃいます。甲状腺の異常が不妊の原因となっているケースもあるからです。こちらについても心配な方はご相談ください。

Q

甲状腺の薬にはどんなものがある?他の薬との併用は大丈夫?

A

主に甲状腺ホルモンを調節するお薬を内服していただきます。

一般的な用途で内服していただく甲状腺ホルモン剤には、豚の甲状腺を乾燥し粉末化した乾燥甲状腺末(チラージン)と、ホルモンを人工的に合成した錠剤(チラージンS)があります。

いずれも内服していただく際は少量から開始していただき、徐々に増量します。基本的には補充薬なので、毎日決まった量の内服を長期間続けていただきます。

甲状腺ホルモン内服剤により症状が消失し甲状腺ホルモンの血中濃度が正常に維持されたら、仕事や運動といった日常生活にまったく制限はありません。一方で、ホルモン剤の内服は指示通りに続けていただきます。
適切な量を内服していただいている限り、副作用を生じることは無く、妊娠中・授乳中も内服を続けていただけます。他の疾患で治療や服薬をされている場合も、安心して内服を続けていただけます。

Q

甲状腺ホルモンとは?

A

甲状腺ホルモンは身体の新陳代謝を調節する役目を担っています。このため存在する量が多すぎても少な過ぎても身体に変調をもたらします。何らかの原因で甲状腺ホルモン量が足りなくなると、脳下垂体から甲状腺刺激ホルモン分泌を増加させて甲状腺の働きを活性化させ、甲状腺ホルモンを増やします。逆に甲状腺ホルモンが多すぎになると、甲状腺刺激ホルモン分泌を減らすことで甲状腺の働きを弱めてホルモンバランスを保っています。

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