糖尿病や不整脈などの引き金にもなる
ホルモンの過剰疾患
甲状腺機能亢進症とは
甲状腺機能亢進症は血液中の甲状腺ホルモンの量が過剰になるため生じる疾患です。
主に以下のような症状に悩まされる方がいらっしゃいます。
- 汗が多い
- 疲れやすい
- 手が震える
- 動悸がする
- 息切れがする
- 体重が減ってきている
- 暑さに弱い
- イライラしている
- 食欲旺盛になった
- 排便回数が増えた
- 体がかゆい
- のどが渇く
- 血糖値が上がった
- 毛が抜ける
- 微熱がある
このように、普段の生活で何気なく出くわす悩みが頻発するようになったら、甲状腺機能亢進症を疑うようにしましょう。
また、一般的な大病を起こす引き金になっていることもあるのがこの病気の大きな特徴でもあります。例えば糖尿病を抱えている方で、精密な検査をしてみると甲状腺ホルモンの過剰分泌が原因だった、といったケースもあります。
甲状腺機能亢進症の病気
バセドウ病
甲状腺機能亢進症の中では最も耳にしたことのある病名かもしれません。甲状腺に対して攻撃をする自己抗体を作り出し、甲状腺ホルモンの過剰分泌を生じて症状が出現する病気です。特有の眼球突出(内分泌性眼症)や複視(物が二重に見える)等の症状を発症することがあります。
初診時【1】 |
初診時【2】 |
初診時【1】
初診時【2】
甲状腺機能亢進症の中では最も耳にしたことのある病名かもしれません。甲状腺に対して攻撃をする自己抗体を作り出し、甲状腺ホルモンの過剰分泌を生じて症状が出現する病気です。
特有の眼球突出(内分泌性眼症)や複視(物が二重に見える)等の症状を発症することがあります。
破壊性甲状腺炎
甲状腺が腫れた場合は甲状腺炎の可能性があります。
甲状腺機能は、発症からの時期により比較的短期間で次のように変化します。
1甲状腺中毒期(甲状腺機能亢進)
2移行期(甲状腺機能正常)
3甲状腺機能低下期
4回復期
治療については、経過中に症状の再燃を示したり、稀に再発を繰り返すこともありますので、受診していただき診断が確定してから詳しくご説明します。
以下に2つの甲状腺炎についてご紹介します。
亜急性甲状腺炎
甲状腺に炎症が生じ、細胞内に貯留された甲状腺ホルモンが漏れ出したため、一時的に甲状腺機能亢進症状を示す疾患です。
典型的な症状としては、甲状腺のある頸周辺の腫張と疼痛、種々の甲状腺機能亢進症状を示します。
無痛性甲状腺炎
甲状腺機能亢進症状を生じる破壊性甲状腺炎の一つの疾患です。症状は亜急性甲状腺炎と違って、頸の疼痛がありません。あらわれる症状としては比較的穏やかで、通常は2〜3ヶ月の経過で改善します。亜急性甲状腺炎と同様、炎症が治癒した後に甲状腺機能低下を生じる場合があります。
プランマー病
甲状腺機能結節が甲状腺ホルモンを大量に産生するために生じます。腫瘍(機能性結節)の多くは良性腫瘍であることが多いです。甲状腺機能亢進の程度も、極軽度から高度まで様々です。治療は手術が絶対適応となりますが、PEIT(局所エタノール注入法)を行う場合もあります。